「ものの距離感覚が掴めない」と思っていたら乱視だった
発達障害
2022-12-21

急な質問を読んでくれているあなたに投げかけます。
「ものの距離感覚を掴むことは得意ですか?」
この質問を急にされたら、なんのことだろうと、返答に困る方が多いのではないでしょうか。
一方、「苦手です」と思った方がこの記事を読んでくれたら、すっきりしてもらえるかもしれません。
というのも、私自身、「ものの距離感覚を掴むこと」が苦手な一人だからです。例えば、机の上にある醤油を掴もうとしたら掴めなかったり、コップの水を飲もうと思ったら手前にこぼれてしまったり。。。
学生時代から続いている悩みですが、周りには「天然だね」「ちゃんと気をつけないと」と言われてきました。
どうにか直したくて、中学生のとき、脳の検査であるCTやMRIも撮ってもらいに脳外科に行ったこともありますし、めまいの関係なのではないかと、耳鼻科でメニエール病の検査をしてもらったこともあります。
しかし、そのような西洋医学的な疾患は見つかりませんでした。
これはうれしいことであるはずなのですが、ずっと原因がわからないことは、不思議で、どうしたら直せるのかがわからなくて不安でした。
そんな私が社会人になり、生活がどんどん忙しくなり、その症状は深刻化していきました。職場でも距離感覚が掴めず物を落としたり、大事な機材に傷をつけそうになったり。そのこと自体、もちろん申し訳なくて落ち込みました。ですがそれ以上に、「ものの距離感覚を掴む」ことへの解消法がないことに、自分に対して憤りを感じていきました。
「私は発達障害だからしょうがないんだ」と諦めることで心を落ち着け、「ものの距離感覚の掴めなさ」が業務に大きく支障をきたす仕事には、あまりいかないようにしよう、と決心することに。
そう心に決めた私に、ある日転機が訪れました。それは何気ない、眼科検診です。はじめての場所が苦手な私は、関東に引っ越してきて以来2年間、いや学生時代もサボってきたから6年ぶりほどに、眼科に行きました。そこでやっと、わかったのです。「私がものの感覚を掴むことが苦手な理由は、”乱視”にあった」ということに。
感動しました。乱視用コンタクトをつけたら、なんと視界がにじまないのです。ものがちゃんと掴めるようになったのです。多くの人には普通のことかもしれませんが、普通のことが普通にできるということに、感動しました。
そしてこの解決方法を知れたのは、私がちゃんと、「ものの距離感覚を掴めない」ことに悩み、眼科の先生にも「眼科のことは関係ないと思うけど、発達障害でものの距離感覚を掴むことが苦手」と伝えられたからだと、自分を褒めてあげられそうです。
また、原因がわからず、諦める以外の解決策が見つからなかったら、ちゃんと悩んで、いろんな人に相談してみると、このように解決策が見つかるかもしれない、ということも学びました。
どうかこの私の体験談が、同じように悩む誰かの、助けになれたら幸いです。
(ライター:杉山ゆっくり)
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